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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第46章 どんなに強い者も




「キミ、それは違う。」
「えっ……違うんですか!」


ヤクザは、普通に指摘してきた。

「見過ごせないな。本物の"侠客"としては。」
「本物の侠客さんはこんなことするんですか?“侠客”は、能力におごらず、初志貫徹し、身を投げ打って他人の苦難の為に奔走する者だって!映画で観ました!!」
「フィクションと一緒にしてもらっちゃ、困るね。」

ヤクザさん、いや、リストで見た。
玄野針さん。

彼の“個性”は、『クロノスタシス』。
時計の針のような頭髪を直線状に伸ばして攻撃。相手の行動を遅くし自由を奪う。 ただし、本人が停止している状態でないと針は伸ばせない。


髪の毛を伸ばす攻撃する彼から、私は避けた。
先生を気にしてる彼から避けるのは、簡単だった。

「じゃあホントを教えてください。あなた方はなんでこんなことしたんですか!」


剣を振るえば彼は避ける。
彼が動いたということは、針は襲ってこないはず。


「教えてくれないと、分からないんです!」


飛び回りながら避けている中でも、口は止まらなかった。言葉を、絶やしたくなかった。

手負いの玄野さんは、そこまで速くなかった。
だからすぐに目で追って、捕縛することが出来た。


「お願いです。教えてください。」


空中でぐるりと一回転した後、血液を手に集めて一気に結晶化する。ブラド先生から教えて貰った技。

拘束をした玄野さんに、私は言葉を続けた。


「あなた方は…治崎さんは、どうしてこんなことをしたんですか?」
「……言葉を交わす…か。噂のまんまですね、敵連合の安藤ひよこサン。」
「違います。今は…アマネって呼んでください。」


武器も髪も全部、血の下に。
仮面をはいで、彼の顔を見た。

あの“個性”を、使おうか迷った。


「彼は、目的の為なら何であっても使う。そういう生き物だって、だけです。」
「その…目的って、」
「全部、組の為。」
「組…」

大きな音と振動が、上から響く。
パラパラと破片が頭に当たる。でもそんなの、気にしてられなかった。

「組が再び、力を持つ為に…アイツはずっと、努力して、」
「でも…人を傷つけちゃ、ダメです。」


「何をしても護らねぇといけなかったんでさぁ。俺たちの居場所なんだから。」


玄野さんから感じたのは、
“あの人”を認めてやって欲しいという、願いだった。


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