第45章 まぶしい闇
一瞬、私のせいかと思った。
ヤバい力をいきなり発現して、建物ごとぶっ壊しちゃったんだと。
『キィェエエエエエエエェエ』
足場がぐらついて、誰かの叫び声が響く。
あ、そうだ。
あの人だ、入中さんだ。
「あ、うわっ、やぁ!」
グラつく足元で必死にバランスをとった。
そこまでは、よかった。
相変わらず私は、注意散漫で。
だから、さっきまで壊そうとしていた壁の欠片が落ちてくることにも、気がつかなかったのだ。
「あっ、やば、」
気がついたのはほんの直前。
頭の真上まで来たところでようやく気がついて。
私は、
意識を、
失った。
『ひよこ。さ、もう帰ろう。』
懐かしい声がした。