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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第30章 春と嘯いて



翌日 17時00分


「爆豪くん、切島くん、緑谷くん。…来たな。」

「な…なんで……飯田くんが…!?」


駅前の広場で、小さく困惑の声が響く。

時間通り、言われた場所に、言われた通り変装で集まった3人は、知らされていなかったもう1人の存在に驚きを隠せなかった。


「…どういうことだよ。」

優に持たされた通信機に、切島は問いかける。
小型で最新型のそれからは、昨日と同じ、落ち着いた声が響いてくる。



『…昨日の夜、頼んだんだ。飯田さんにも、来てくださいって。』



優は真剣にまっすぐ答える。
最新型のソレを挟んだ彼の声は、いつもより少し大人びて。


「どうして…?」

『連絡出来なくてごめん。……ストッパー役が、いなくて…心配になったんだ。』

爆豪は、少しだけ声を荒らげた。

「信用出来ねぇのかよ!」


急な大声に通信機はキーンとハウリングする。

そんな声に、優は少しだけ声を震わせながら答える。


『信用してないわけじゃない。もっと信頼したいから…疑ったんだ。絶対…3人には、危ないことして欲しくないから。』


飯田はそんな声を耳にして、いつものようにはっきりと声を出す。


「昨日の夜、彼から電話があったんだ。最初はイタズラ電話かと思った。でも彼の真剣さに、これはウソではないなと判断してな。僕も連絡すればよかったな。彼を責めないでやってくれ。」


『一番適任だと、思ったんです。僕は情報を整理して提示しないといけないから…。飯田さん…本当にごめんなさい。3人を、お願いします。』


あの不躾な優の敬語を初めて聞いた3人は、彼の真剣さに気付き、ぐっと口を噤んだ。


「分かった。学級委員長として、必ず3人を守ると誓おう。」



そして、4人は歩を進める。


優は後ろめたさも感じながら。

計画は始まったばかりで____


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