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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第29章 〈番外編〉青い心は揺れ動く。


Side 麗日お茶子


女子って、恋バナ好きやなぁ。


そうやって、一瞬冷静な自分が心の中で呟いた。


合宿2日目、みんなで女子会をすることになった。


透ちゃんがA組もB組もいるかんだから女子会しよーって言ったことでみんな動き出したのだ。

B組の女子はお礼に来てくれたのだ。
峰田から守ってくれてありがとう、と。


お菓子を囲んで車座になって話し始めて。

何話すんだろうと疑問に思った瞬間、恋バナでしょー!!っと透ちゃんが言った。


恋バナ……。


そのあまーい、かわいー響きに、自然に頬が赤くなる。

ふと隣で、何故か三奈ちゃんに下敷きにされているひよこちゃんをみると、彼女も顔をまっかっかにしていた。


「それじゃ、付き合ってる人がいる人ー!」

透ちゃんが勢いよくみんなに声をかけるも……


「えぇー!誰もいないのー?」

手を上げる者はいなかった。


…まぁ、そらそうやろうなぁ。
だって、そんな暇ないもんなぁ…。

ヒーロー科の宿命に、みんなの顔が少しずつ青ざめる。多分これは、焦り。だって、恋バナできない…。

というか、恋愛が遠い。


「じゃあじゃあ!!好きな人いる人ー!!」


三奈ちゃんが高らかに言うと、目の端っこで、何かが真っ赤になったのが見えた。

ひよこちゃんだ。

ちゃんと見ると湯気がででた。


「あっつ!!安藤あっつい!!」


上に乗っていた三奈ちゃんは悲鳴をあげて、ひよこちゃんの頬をつまむ。


「なぁに安藤ぉ?あっ分かった!緑谷のこと、考えてたんでしょー!!」
「んにゃぁっ!?ちっ、ちちちち、ちがっ」
「あははっ!図星!!」



「デクくん…のこと?」


その、彼の名前を聞いて、私はあの言葉を思い出した。


『君、彼のこと好きなの?』

ちがうっ!!そうじゃなくて、気になるとか、そういうんとちがくて、でも!!

心の中で私がこんなに慌てていると、三奈ちゃんはまた続けた。


「安藤、緑谷のこと大好きだもんねぇ」
「うぁぁぁあ!!三奈ちゃんやめでぇ!」
「やめまへーん!安藤は緑谷が好きー!」
「ひぃぃぃ」


真っ赤になって三奈ちゃんの口を塞ごうとしているひよこちゃんを見て、胸がズキンと傷んだ。


そっ…か。
ひよこちゃん…デクくんのこと、好きなんだ……。


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