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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第23章 呪われ




『おかーさん!』

『なぁにひよこ。』

『んひひっ!よんでみただけ!』

『えぇー!もう!』

『ひーよこ。』

『なぁにおかあさん!』

『呼んでみただけー!』

『えー!ちゃんとひよこへんじしたのにー!』

『ほらほら!あっ!』


お父さんが、帰ってくるよ。



懐かしくて懐かしくてたまらなくて、

いつだってあの頃に戻りたいって思ってる。


忘れたくて、忘れようとして、でも忘れられないのは


大切な家族だからで。
忘れたらきっと、本当にひとりぼっちになっちゃうからで。


そんなふうに弱虫な自分が、嫌だった。



**


目を覚ますと、知らない景色があって知らない匂いがしたから、しばらく目を瞬かせた。


それからムクリと起き上がると、みんなまだぐっすり眠っていた。三奈ちゃんは寝相がアレで、頭があったところに足が来ていた。


よく寝坊するタイプなんだけど、違うところで眠ると早く起きてしまうみたいだ。


ぽけーっと眠っているみんなを眺めて、目をゴシゴシとこする。


あ、また濡れてる。


手をじっと眺める。


夢の内容はいつも忘れているのに、寂しさだけが残っている。


本当はそんな、おせんちなの嫌だ。
みんな全力で頑張っているし、多分みんな楽しんでいる。


みんなの雰囲気、悪くすんのだけは、絶対にダメだ。


今日は沢山頑張って、沢山笑おう。


朝の低血圧の頭で、そんなことをぼーっと考えた。


自分のことでいっぱいいっぱいのクセに、私はそんな偉そうなことを考えた。


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