第15章 〈番外編〉All good things
7月◇日(▲曜日) 日誌。
今日は放課後、先生に質問しに行きました。その後教室に帰ると出久くんがひとり残っていました。
「……出久くん?」
「あっ!ひよこちゃん!まだ残ってたの?」
「う、うん。先生に質問しに言ってて…。出久くんは?なんでまだいるの?」
「日直の日誌だよ。かっちゃんもだったんだけど、俺の仕事はやったって先に帰っちゃったから…。」
どうして?と聞くと、日誌だと言っていました。勝己くんは先に帰っちゃったみたいでした。
「手伝う。」
「え、いいよ!」
「…じ、じゃあ終わるまで待ってる。」
「いいの?」
「うん。」
終わるまで勝己くんの席で座って待っていることにしました。2人だけなのはなんだか凄く久しぶりで、どきどきしました。
「……か、勝己くん…昔は仲良かったって、聞いたけどさ…なんで……つんつんしてるのかな…。」
「昔はって…まぁそこまで仲良くもないというか…僕がずっと後ろついてまわってただけだし…。きっとかっちゃんにもかっちゃんの問題があるんだよ。」
「そっか…。私は、小学校の時からしか一緒じゃないし、幼なじみとも言えないかもしれないけど……2人のことは、大切だから……仲良かったら、もっと嬉しい。」
「…ありがとうひよこちゃん。」
日誌の文字を見ると、中学のときから変わっていなくって、安心しました。
出久くんの声をきくと、どきどきしました。
話をしている時も、どきどきしました。
声も、話し方も、考え方も、私は____