第12章 友達と、友達のその先
「鋭児郎くん。それで、話って?」
「あ…あぁ。」
勝己くんの家を出た私達は、鋭児郎くんの、話……とやらを聞くために、公園のベンチに座って話をしはじめた。勝己くんちの玄関先で聞こうとしたら、大切な話だからと言われ、ここまで来た。
今日の鋭児郎くん、なんか変だ。なんか、いつもならもっとハキハキ喋って、感情もパキッ!パキッ!と出す感じなのに。
「そんなに大切な話なの?」
「…あ、あぁ。」
「なんの、話?」
「それは……あの、さ…。」
なんだか、心がざわざわする。
なんの…話だろう。……なんだろう、なんでだろう。ちょっと、怖い。
「あ!!」
心のざわざわに耐えられなくなった私は、てけてけーっとブランコの方へ逃げた。
「ブランコ!小学校の時、よく遊んだっけー。」
「…な、懐かしいな!」
私はブランコに乗り、立ち漕ぎをした。
勢いがつくまでは少し時間がかかって、それで動いたブランコは、行ったり来たり、ずっと同じ動きを繰り返した。
「……なんで、私が出久くんのこと好きだって、しってたの…?」
「……誰だって分かるぜ?あんな顔してちゃさ。分かってないの、緑谷くらいじゃねぇか?」
「そっかぁ……。」
中学の時から私は、わかりやすいまま。
この学校でいろんな経験をしたはずなのに、そこは全然変わってなかった。
ブランコの単調な動きを感じていると、色んなことを思い出した。中学の時のこと、小学校の時のこと。そして……それより前の事。