第12章 友達と、友達のその先
放課後、帰る準備をしていると、みんなが、期末試験の実技の内容について話していた。
みんなの話によると、実技試験では、体育祭の時のあのロボットと戦うらしい。
うーん……アイツ、軽くトラウマだ……。
「「やったー!」」
「んだよロボなら楽ちんだぜぇ!」
「ほんとほんと!」
三奈ちゃんと電気くんはとても喜んでいた。楽勝だって……。
「「これで林間合宿バッチリだァー!」」
「はぁ……。」
「ん?どうしたんだ安藤くん!」
後ろにいた天哉くんが私のため息に気づき、声をかけてくれた。
「あ、天哉くん…。私、ロボットでもなんでも……楽勝なんかじゃないよ…。凄く、不安で…。みんなと林間合宿行きたいなぁ…。」
「そうか。…うむ、どんな敵でも油断は出来ないな。」
「人でもロボでもぶっ飛ばすのは同じだろ!何が楽ちんだアホが。」
いきなり大きな声をあげたのは、やっぱり大魔王様、勝己くんだ。電気くん達にガンをとばしている。電気くんも負けじと言い返している。
「アホとはなんだアホとは!!」
「うるっせェな!!調整なんか勝手に出来るもんだろ!アホだろ!!なあ!?デク!!」
彼が怖い顔をして出久くんを睨む。なんだか、中学の時みたいだ……。
やっぱり、彼がピリピリしていたのは、出久くんの存在、出久くんの急激な成長が原因なんだ……。
これでも一応、小学校の時から同じなんだ。
見てればわかるんだ。出久くんの存在が、勝己くんの中でどれだけ大きいのかも。勝己くんの存在が、出久くんの中でどれだけ大きいのかも。
……怖い…や。最近は丸くなったと思っていたのに。