第12章 友達と、友達のその先
「お前、中学ん時からクソバカだよな。」
「…そ、れは……否定したい…というか」
「黙れクソたまごはクソバカカスだ。」
「……。」
なんか物凄く不名誉なこと断定されたぞ!
「んで中学ん時、デクに勉強教えられてただろ。」
「あ、はい……。そ、ですね。」
「っし、今日放課後家に帰る前にうち来い。」
「!?」
彼は表情筋をピクリとも動かさないまま、物凄く怖い表情のまま、そう言った。
な、んて?今、なんて!?
「え、あ、はぁ!?」
「なんか文句あるかよ。あ''ぁっ!?」
「ひっ!!も、文句なんてめっ、滅相もございませんです!!」
しまった…圧に気圧されて返事しちゃった……!
そう言うと彼は物凄い威圧感のまま自分の席へ歩いていった。教室にいた砂藤くんや、瀬呂くん、甲司くんやらに物凄く哀れむ目で見られる。
「おい爆豪、そりゃねぇだろ!幾ら何でも安藤可哀想だって。」
そう声をあげてくれた人は、なんと鋭児郎くんだった。
救世主だ!メシア!!
それならばと私も勇気を出し、勝己くんのところへはしる。
「勝己くん!!理由も教えてくれないまま家に行くのは…やっぱりちょっと心配……かな。だから…その。」
「あぁ''!?」
「ひぃっ」
「いきなり女子1人家に呼び出すって…正直倫理的にあれだろ!」
「るせぇ!!」
「……俺も、今日放課後安藤に用あるし。」
「え、用あるの?」
「えっ、あ''っ!ぁぁあ……!」
鋭児郎くんは、しまった!といったような顔をしている。
「用って?」
「いや、えっと、その、安藤に、さ……その、」
鋭児郎くんにしては珍しく歯切れの悪い返事だった。そんな彼、初めて見たような。
鋭児郎くんは1回頬を叩くと、キリッとこちらを見て、
「放課後、安藤に言いたい事がある。」
と言った。