第8章 〈番外編〉ヒヨコをプロデュース
安藤はなんと昼休みで洗濯物畳みをクリアしてしまった。飲み込みが早いな!よし!
「放課後は料理だ!」
「おっす!……あっ!すいませんっす!今日お買い物して帰らないと行けないや。」
「おぉ、そっか。……手伝おうか?」
「……お言葉に甘えようかなぁ…。今日、卵がおひとり様2パックまででね、鋭児郎くんがいてくれたら、4パック買える……。ので、じゃあ、お願いします。」
主婦か!!!って…
「えっ?名前、」
「えっ、あっ、はっ、ごっごめんなさい…!私、その、親しくしてくれてると思った人……名前で呼んじゃう癖があって……。」
高校にきて、名前で呼ばれたの、初めてじゃん。確かに安藤、緑谷のことは出久くん、爆豪のことは勝己くん、飯田のことは天哉くんって、なんか変わった呼び方するしな……。
安藤は恥ずかしそうに顔を隠している。
「いいっていいって!いいよそのままで!」
「ほんと?…よかったぁ…。ほんとに気分悪くしてない……?」
「大丈夫だって!」
指の隙間から俺の方をチラと確認した後、顔を隠していた手をどけ、へにゃっと嬉しそうに笑う。なんてわかりやすい……!かわいいやつだな!犬か!
「じゃあ俺も、こんど安藤のこと下の名前で呼ばせて貰おうかな。」
「うん!」
そう安藤は、犬っぽい笑顔を浮かべていた。