第6章 STRIDE
実をいうと私は、生まれつき心臓が弱く、こうやってよく発作を起こしていたのだ。
小さい時はそのせいで、外で遊べず、友達と言える友達は居なかった。大人になるにつれてだんだん治まって、普通に運動できるくらいにはなったが、時々、こういう発作が起こることがあるんだ。
どうして、今…なの?
あまりの痛さに蹲りそうになる。
すす、まなきゃ行けないのに。
「はぁ、はぁ、ぐぅっ、」
やっと壁のあるところまで来れた。あと、少し。ほんの、少しだから。お願い。足、動いて。
壁に持たれながらゴールへと進む。
凍った足はそのまま。殴られた傷はじくじくいたんで、鼻からは鼻血がどばどば。あとなんか、爆発のせいで頭はクラクラ、心臓はどくどく痛い。
でも、あと、あと一歩。がんば、れ。
そう、最後の一歩を踏み出した瞬間、
後ろから青山くんがレーザーで飛んできて、ゴールした。
私は、青山くんの次に、ゴールした。