第2章 目覚めの朝
正直、驚いた。
あまりにも温かい笑顔を向ける新兵の顔を見ていられず
思わず目を逸らしてしまう。
よりによってこんなガキに。
『・・・・・・イ兵長・・・?』
呼ばれた声でハッとする。
「・・・なんだ?」
『いつもこの時間にお一人で紅茶を飲んでいらっしゃるんですか?』
「変な質問をするやつだな。それを聞いてどーする」
『あ、いえ・・・。ただ気になっただけです』
新兵は少し目を泳がすとカップに目を落とした。
「・・・」
お互い無言で紅茶を啜る。
悪くない時間だ。なぜだか凄く落ち着く。
すると新兵は急に立ち上がり頭を下げた。
『あ、ありがとうございました。
とても美味しかったです!!!
お、おやすみなさい』
新兵は頭を深く下げるとランプを持ち食堂を出ようとする。
「おい」
俺は無意識にその新兵を呼び止めていた。
『・・・は、はい・・・?』
「お前の名前はなんだ」
『えっと・・・クラインです』
「名はなんだと聞いたんだ」
『あ、エルフィですっっ』
「エルフィか。
・・・俺は基本毎日ここにいる。
・・・また紅茶が飲みたくなったら来い」
俺はそう告げると彼女は太陽のような笑顔で『はい、ありがとうございます』と返事した。
・・・やっぱり直視できないほどに眩しい笑顔だ。
俺は冷めた紅茶を啜りふぅと息を吐いた。
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