• テキストサイズ

【YOI男主】大切な人【男主&勇利】

第2章 言葉よりも、雄弁に


【エピローグ】


「デコおおぉ!これは一体どういう事や!?」
スマホ片手にヴィクトルに詰め寄る純に、勇利達は何事かと視線をやる。
そこには『【滑ってみた】愛について・エロス【上林純】』というタイトルと、先日のリンクで勇利の「エロス」を踊った純の動画があった。
「えー?それ、俺のアカウントじゃないよぉ。何で俺に聞くの?」
「やかましい!ネタは割れとるんや!アンタが西郡くんトコの3つ子ちゃんに流して、優子ちゃんのアカウント経由で動画UPさせたんやろ!」
勇利とも以前より深くスケートで判り合え、EX作りも充実してきた矢先、藤枝を始め友人やかつてのスケート仲間から「何かお前のスケート動画が上がってるけど」と連絡を貰った純は、寝耳に水とばかりに悲鳴を上げた。
「こんなん、ただの公開処刑やないか!僕『引退した癖に、図々しく勇利くんのプロ滑るな』て、勇利のファンに殺される!」
「何、物騒な事言ってるの!?公開処刑は僕も経験済みだし、大丈夫だよ!それにホラ、結構純の動画評判良いし」
「そういう問題やない!」

動画をUPしたアカウントに見覚えのあった純は、すぐさま西郡経由で優子に確認を取った所「ウソ、純くん知らんかったと!?」と驚いていたが、「でも、凄く良い演技だし子供達やリンクの皆も喜んでるよ?」と返され、更に「私、純くんの演技はショー向きだと思うな」と嬉しいんだか嬉しくないんだか判らない好評まで頂いてしまったのだ。
「そこまで怒る事?良い感想の方が圧倒的に多いじゃない。第一、お粗末な演技なら動画UPしようなんて思わないよ」
「それでも、本人の許可なしに上げるんはどうかと思うで」
「お前に言ったら『絶対ニェット!』って返されるのがオチじゃん」
うるさいとばかりに手を振りながら、ヴィクトルは歩を進めると純の耳元で囁く。
「『ヒゲ』さんだって、喜んでただろ?」
「~~~っ」
図星を指されたように顔を赤らめた純は、次の瞬間手を伸ばすとヴィクトルの腕の痛点に思い切り親指をめり込ませる。
「痛っ、痛たた!暴力反対!」
「待たんかい、この『デコ露助』!今日という今日は許さん!」
悲鳴を上げて逃げ回るヴィクトルを、純は怒号と共に追いかけた。
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp