第7章 兄の考えと二人の気持ち。
「…最近本当どうしたんだ?」
あの事があってから初めて彼と二人で飲みに来た。
そして到着して飲みだして早々のこれ。
一方私はその答えを言うのが嫌で、無視してお酒をガブガブと飲む。
いつもなら普通にビールやウーロンハイ等しか飲まないのだが、あまりにもその答えを言うのが嫌で私は日本酒を飲み始めていた。
「内緒…」
自分でも酔ってきたことの自覚はしていた。
けれど私は一度悪酔いすると時間がたつうちに磨きがかかるタイプで。
その酔いは止まることを知らなかった。
けれどそれでもばれないように平常心を装う。
でもそんなのバレバレで、
「由架が何か悩んでるなら頼ってほしいし、話を聞きたい。それってダメなことなのか?」
そういわれ、私は俯く。
言ったら呆れられる、そんな気がした。
裕は仕事が一番で。
私は、多分二の次でしかない。
けれど私は二番じゃなくて一番になりたい。
仕事が一番の彼からみたら仕事を頑張る彼女になれば少しは差が縮められる気がした。
けれど、仕事を頑張ればこんな感じで。
自分でもどうしたらいいかわからないところまで来ていた。
「お前は何がしたいんだ?」
唐突の質問に言葉を失う。
「…何がしたいのか、自分でもわかんない。」
すると裕はそれを聞いて顔を暗くする。
すると突然、「そう言えば今日隣の部署でな」と会社での話をし始めた。
私が聞いてほしくないのを察したのだろう。
それから彼は私のはなしに触れることはなかった。
私の方が年上だから頑張らないと。
そんな事が頭の中で浮かんでしまって、逆に彼に迷惑をかけている。
これは本当に私のしたかったことなのだろうか。
それさえも自分でわからなくなった。