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Diable Patron

第1章 大嫌いな上司


「部長!起きてください。仕事終わりませんよ」


そういって部長の肩を叩く。





すると、部長はやんわりと起きてきて「あぁ。悪かった。残業続きで少し疲れが出たらしい。」そういって私が買ってきたコーヒーを開けて飲み出した。



「差し入れ、ありがと。」そういってコーヒーを飲む部長が少しかっこよく見えた。




気がした。



ここ数日、部長は残業ばかりしていた気がする。




そしてその割には私は残業をお願いされることはなかった。




のに、予定がある日には私を呼ぶ。意味がわからなかった。




あっという間に時刻は5時を指していた。




「もう5時だ。今日はこれで終わりにしておこう。」


部長がそう声をかける。


私は「はい」そういって後片付けを始めた。




正直戸惑った。


だって今まで部長が自分から休日出勤や、残業を終わらせることはなかったからだ。



部長は今日、そんなに大事な用事があるのだろうか。




そう思いながらも片付けていると「もう時間ぎりぎりだろう?あとは俺がやっておく。先に帰れ。」そういって部長は私に先に帰るよう指示した。



さすがに姉の節目だ。そこは部長も察したのだろう。


私は「ではお言葉に甘えて。お疲れ様でした。」そういって部長に挨拶をして自分の部署を出た。


部長も用事があると言っていたのに、大丈夫なのだろうか。



けれど、今まで散々人の予定をぶち壊しにしたのだ。



別にいいかー。そう思いながらも内心少し気にしていた。



部長はいつも仕事中だけ眼鏡をしていて、出勤時と帰宅時は眼鏡を外していたはず。


さっき見たときは外していたからすぐ帰るつもりなのだろう。




それを言い訳に私はそのことを考えないようにしようなどと思いながら、姉と待ち合わせしていたレストランへと向かった。
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