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Diable Patron

第17章 これから先のこと。


自分の発言に自分で驚いた。




けれどあの瞬間思ったのだ。




[好きだから結婚したい。それで何が悪いの?]





結婚する理由なんて自由でいい。




自分たちがしたいと思う。




それが重要なんだ。





その事に気づいたとき何が心のわだかまりがなくなった気がした。





「それ、本気で言ってるのか。」




そう聞く彼に私は静かに頷いた。




「…冗談でこんなこと言わないよ、嫌なら断ってくれていいし。」




私がそう言うと被せるように彼はいった。




「俺は断るつもりはない。けどひとつだけ聞かせて欲しい。」





「何?」




私が問いかけると彼はいった。




「何で一度断ったんだ。」




言われるだろうなって予測はしてた。




あれからまだ一週間ほどしかたってないのだ。




彼から見たらこの一週間で何があったのだと思うだろう。




それに私自身一週間の間に変わったことをした自覚もない。



何が変わったのかも、具体的に言えと言われれば言えないだろう。




「あの時は結婚したら自分の回りが大きく変わると思ってたんだと思う。けど、それでも裕とならいいと思ったからかな。一週間でそんな変化あるなんて…思えないよね、ごめん。」




私がそういうと彼は



「俺は、籍を入れたからって由架を拘束するようなことはしたくない。」



といって自分の鞄の中から何か小さな箱を出した。




「そう思いながらも、独り占めできるかなとか思ってたところもある。言葉足らずな時もあるとは思うけど、一緒にいてくれるか?」




そういってその小さな箱を開けた。




そこには銀色のサイズ違いの指輪が2つ輝いていた。
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