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Diable Patron

第17章 これから先のこと。


「プロポーズを断った!?」



カフェにその声が響く。




「声、大きいよ。」



私がそういうと姉は回りに軽くお辞儀をした。




「何で断ったの、悪い条件じゃないでしょ???」




慌ててそう聞かれ私は




「結婚する勇気がなかったって言うか…今の私にそんな気力なかったというか…」



そう答える。




彼に問題があって断った訳じゃないのだから。




何が原因かと言われれば明確なものはない。





ただ私に勇気がなかっただけ。






でも回りから見ればそれが不思議に見えるのだ。




プロポーズは確かに女の子の憧れで。



多分、数ヵ月前の自分なら何も考えず「はい」と答えていたと思う。



でも今の私にそんな生半可な答えは出せなかった。




彼とは後々結婚したいとは思ってる。




でも今しても私は夫婦としてやっていけないって思った。




今は彼と仕事をするのが楽しい。




独身であることによって、時間の自由と仕事の自由を与えられている、そんな気がするのだ。




もし今結婚してしまえば私はその自由を奪われてしまうかもしれない。




事実、結婚してしまえばやめてしまう女性がほとんどだ。




でも今それを理由に仕事をやめるのは損な気がした。




「…人ってさ、結婚したからって幸せな訳じゃないと思うんだよ。だから、付き合ったままでもしばらくはいいかなって思って。」




私がそういうと姉は



「そっか…まぁ結婚しないも結婚するも由架次第だもんね。裕くんとうまくやんなよ~。」


と言って先に店を出ていった。



私のそのあとを追うように店を出た。
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