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Diable Patron

第16章 籍をいれると言うことの重み


いろいろなゴタゴタが収まり、お互いの両親にもお互いのことを言えるようになり、私たちの環境はいいものへと変わってきていた。




「日向部長!本部長がお呼でしたよ」




「はーい。ありがとう。」





もちろん、職場では内緒の話だけど。




相変わらず、年下だけどしっかりしてる裕に職場だけじゃなく、家でも頼りっぱなしの私だが、今日の私はいつもの私と違い、少し考え事をしていた。




その原因は昨日の夜へと遡る。





いつも通り、裕と晩御飯を食べていたときのこと。




突然、裕は私に、



「結婚、もうそろそろしないとな。」



といい始めた。




裕と付き合い始めた時は結婚なんて考える余裕もなくて、今のことだけで精一杯だった。




でも自分の年齢も考えて、結婚するにはちょうどいい年齢だとは思う。





けど自分の気持ちがついていかない。




それと共に、年下の彼にその考えを丸投げしてしまっていたと言うことに気づく。




自分は明日は何をしようとか、明日のご飯何だろうとか、帰ったら掃除しなきゃとか。




毎日のルーティーンのことしか考えていなかった。




自分の未来のことなんて尚更考えてない。





結婚すれば今の生活も変わる。




でも何が変わるのって言われたら今の私にはわからなかった。





そしてあのとき、私は彼に、



「あぁ、うん。そうだね。」



と少し戸惑いのある答えを返してしまった。





私が思っている以上に、裕はしっかりしてる。




それどころか私よりしっかりしていることだろう。




だから、毎回しっかりしなきゃなって思う。




恥ずかしながら自分は料理さえもあまりまともにできない。




毎晩の食事も裕に任せてばかりで私は週に二回しか作らない。




こんななにもかも未熟な私と、彼は結婚してもいいのだろうか。
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