第14章 家族会議

裕Side



｢それって…本気ですか？｣





俺は現状が信じられなくて聞き返した。





｢…本当じゃなかったらこんなことお願いしません。…籍も抜けないでください。｣





そういわれ俺の頭に混乱が起こる。




あそこまで俺たちの関係をよく思っていなかったはずなのにどうしてだろうか。




俺は疑問に思い、聞いてみることにした。




｢…何で突然許そうなんて思ったんですか。｣





すると由架の母はさっきよりも真剣な眼差しで、




｢…娘にもいい加減自分でいろんな物事を判断させた方がいいのかと思ってね。さすがにもう私たちが口を出す年齢でもないなと判断したんです。それに、あの子はあなたが家族の籍を抜ければ一生気にします。自分のせいだと追い詰めてしまう。私はそんなことは望んでないので。私の一存で振り回してしまい、本当にすみませんでした。｣





と言った。




やっぱり、親にもいろんな種類がいて、うちの親のように子供の考えの尊重する親もいれば、由架の母のように、いろんなことから完璧に守ってくれるような親もいる。





親子の形はここ様々だなと思った。






こんなことがなければ考えることもなかっただろう。





｢…まだ本格的に計画は立てていませんが、いずれは結婚も考えてます。大切にさせてもらいます。｣




今までここまで重みの感じる言葉をいったことがない気がするくらい重みを感じた。






けれどそういったとき、より彼女を大切にしようという気持ちが強くなった。




それをみた由架の母は｢ありがとう。｣といって玄関へと足を向けた。