第14章 家族会議
「…もういいわよ!好きにしたらいいじゃない!」
私の答えを聞いた母は怒って出ていってしまった。
何となく予測はできたものの、少しショックを受けてしまい、唖然としていた。
それを見た姉は私に、
「お母さんも少しかっとなっただけでしょ。あんまり気にしなくていいんじゃない?」
と私を慰めてくれた。
父は母が出ていった方向を見て、
「でも、母さんもお前のことを心配して言ったんだと思う。悪く思わないでやってくれ。」
と私に言った。
その空間を見て私は自分という存在がいかにこの家庭内をかき回しているのかを、改めて自覚した。
両想いとはいえど私のせいで、裕はもちろん、両親や姉夫婦まで振り回してしまっている。
裕と話していたときは、なんで私は姉の妹なんだろうともなんであの家に生まれてしまったのだろうとも思ったし、両親に話していたときは、何故私は裕のことをあんなにす気になってしまったのだろうとも思った。
もちろん、裕、姉、両親が嫌いな訳じゃない。
あの人たちは私がこの世で一番大切にしている人たち。
だからどちらかと言うと私は自分の立場を恨んでいる。
でも、この立場に生まれなければ姉とは姉妹になれなかったし、両親と親子関係なこともなかった。
裕と職場が一緒になることもなければ、今の幸せを感じることもなかった。
だからいいのか悪いのかわからない。
これは私が幸せを手に入れるための試練なのだろうか?
それなら私が頑張るしかないのだろうか?
この時の私は自暴自棄になっていた。