第13章 説得と決意
けれどそれを聞いても母は友好な態度を見せることはなかった。
「…莉架も結婚したし、今は幸せにやってる。だから、私は由架にも幸せになってほしい。どんな形だとしても。」
「じゃあ…」
「けどね、これは幸せになれる道なのかなって思うの。この先、あなたたちが結婚したとして、万が一にも、あなたたちか莉架たちのどちらかが別れてしまったとしてね。少なからず残った方は絶対気まずくなるのよ?そうなるかもしれない可能性を放っておけって言われたら私は無理だわ。」
私が少し希望をもち、涙を止めたがその後すぐに罵倒されてしまい、顔をしたに向ける。
もう、打つ手はない。
すると隣で裕が母に質問をした。
「じゃあ、僕が自分の家族の籍を抜ければ彼女と付き合っていても、結婚してもいいってことですか?」
「「え?」」
空気が少しだけ凍った。
「裕??何言ってるの?」
私はそう彼に問うが、
「いいから。」
といい、私の目をみていう。
その奥からは[大丈夫]という気持ちが伝わってきた気がした。
数秒すると私を見ていた彼の目は母へと移った。
「どうですか?それなら反対する理由もないですよね?」
彼は母に問いかけた。
すると母は
「…そんなこと、する勇気もないのに生半可な気持ちで言わないで。」
という。
すると彼は少し機嫌が悪くなり、
「生半可な気持ちなんかで言ってないです。真剣に言ってます。もし、あなたが戸籍上今の自分の家族というものから抜けて彼女との関係を許してくれるのなら、僕は、真剣に抜けることを検討します。」
と母に言う。
すると母は
「…また冷静になって話し合いましょう。」
といって部屋を出ていってしまった。