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Diable Patron

第12章 上司と部下の張り合い


しばらく、靴擦れした足を小雨が少し降り始めるなか歩いていると電話が鳴った。




「はい、もしもし。」



「日向さん?新山です。今どこにいますか?」



少し、裕なんじゃないかって期待したけどそんなわけもなかった。




「あ、今歩いてます。タクシーとか捕まらなくて…」




私は少し半べそをかいていたがそれを隠すように声を出した。



すると背後から肩を叩かれる。



「見つけた。」




私はその声の方向に振り替えると、新山くんが立ってた。





「え、どうしてここに…?」



「心配だったし、雨の予報も出てたので営業車借りて迎いに来ました。」



しれっとそういってしまう新山くんをどこかカッコいいなと思ってしまった。



「車、こっちです。」



そういわれ、私は手を引かれる。



少し、小雨が降るなか私はその営業車へと乗った。





「あの、仕事どうなってる?」




私は車に乗ってからそう聞く。




「あぁ、本部長のおかげで3分の1は終わりましたよ。」




そういいながら真剣に車を運転していた。




すると車は会社の方向と少し違う方向へと曲がる。



「あの、こっち方向違うんじゃないかな…?」




そう私が言うと、すぐ近くにあったドラッグストアへと車を止めた。




「足、靴擦れしてますよね?」



そう彼は言う。



「なんでわかったの?」




「さっき車乗るとき、少し足引きずってたので。少し待っててください。」




そう言って彼は車を降りていってしまった。





細かい気配りのできる部下。




仕事には熱心な上司。




私の回りにはいつだって私より優秀な人たちがいる。




だから時々思う。




私なんかが部長をしてていいのかと。
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