第2章 querelle
querelle.1
思い切り投げ捨てられた本は私の脚に当たってから地面に落ちる。
それと同時に、ばさりと無造作にページが開かれた。
私は避けなかった。
だから、角が当たったんだな、膝の周りがとても痛い。
悲痛の声があがりかけたけれど、歯を食いしばって我慢した。
「君が悪いんだ」
彼はそう言う。
私は黙り込んだまま本を睨み付ける。
こちらから返す言葉も無ければ、あちらから再び振りかざされる言葉もない。
少しの沈黙の後、彼は舌打ちし、私の部屋から立ち去った。
やがて私の目には涙が滲む。
喧嘩をすると、私たちはお互いに意地を張り合うのだ。
特に私は、本当につまらない意地を張ってしまう。
プライドなんて、くそくらえだ。
ごめんなさい
(そのひとことが、言えない)
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