第4章 光合成する日
呆けていたらいつの間にか思い出に耽っていた。
扇風機からの弱い風が髪を靡かせている。
思い出に耽りながら、柄にもなく空を眺めていた。
大してこだわりもなく、ただただ部屋の中から窓の外へと視線を送るだけ。
季節は、夏である。時刻は夕方に近づいている。
とはいえ、暑さは早々に引くわけでもない。今日は気温が高すぎるわけでもない。
ひたすらに蒸し暑い。
太陽が西へと傾いている。気がつけばその日差しは部屋にさし込み、投げ出していた脚をじりじりと焦がしていた。
ハッとしてすぐさま引っ込めた。日焼けしただろうか。陽が当たっていたふくらはぎを庇うように触れる。
陽を浴びたふくらはぎは、ほんのりと熱を帯びていた。私は眉間に皺を寄せた。
一度意識するとふくらはぎだけじっとりと熱く思えて、ますます厭に感じる。紫外線め。
引っ込めた脚は少しずつ冷めていく。
なんだか、寂しい気分だ。
もう一度脚を伸ばしてみた。もちろん帯びた熱は温かさを増すのだが。暖かい。ぽかぽかとしている。
ポジティブな表現を頭の中からかき集めてみる。先ほどの気分を紛らわすことが出来て、私は少し満足した。
なんだかくだらない時間を過ごしている。
思い出だなんて、そんな綺麗なものではない。浮かび上がるのは失態の数々。
今の私は、あれから成長しているんだろうか。
手を伸ばして扇風機のスイッチを切った。
喉が渇いたなぁ。冷たいものでも飲もう。立ち上がって部屋から出た。
fin