第1章 ユーリ♡俺だけのプリンセス
(......ついさっきまでは、ココ様と2人でお出掛けなんて、
まるでデートみたいだ!ってすごく嬉しかったのに......
これはちょーっときついな…...)
今は自分といるというのに、頭の中はルイのことでいっぱいなココを見ると、嫉妬で気が狂いそうになる。
だが、そんな感情を表にだせるわけもなくーー
結局最後までこんな調子で、2人きりの休日が終わろうとしていた。
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「ユーリ!今日は本当にありがとう!
ユーリのおかげで、ルイに喜んでもらえるものが選べた気がする!」
『そっか。それはよかった!』
ユーリは心の奥を読み取られないように、いつも通り
にっこりと笑う。
「ふふっ、ルイも最近激務で疲れていたし、少しでも元気になってほしいから、お返しは今日渡しに行こうかな!」
『え?今日渡すの?......それは...どこで...?』
ユーリの反応も無理もなく、
もう辺りは暗くなり始めている。
城につく頃にはすでに夜になっているだろう。
そして、そんな時間に2人で会う、
しかも、愛らしいプリンセスから、これまた愛らしい贈り物を贈られるーーー
いくらあの氷の人形と言われるルイであっても、さすがに我慢の限界が来るかもしれない。
というかそもそも、氷の人形と謳われたあのルイが、
花束を贈る時点でもうそれはそういうことであって、
まぁ花束を贈っていなくとも普段のココに対するルイの態度からして、もうそれは完全にそういうことでーーー
『ココ様!!!』
「え!!どうしたのユーリ?」
ぐるぐるとそんなことを考えているともう訳がわからなくなり、ユーリは思いのままにぐっとココの肩を掴む。
『ココ様はさ、ルイ様のことが好きなの?』
「え!!どういうこと?
そりゃルイのことは好きだけど...」
『じゃあ、ルイ様と、“そういうコト”、
してもいいと思ってるの?』
「え?そういうことって?」
『〜っ!』
本当に訳が分からないというように、
幼い仕草で首を傾けるココを、
可愛いと思うと同時に危なっかしくてたまらなくなる。
『そんなんじゃココ様...いつか本当に......』
(誰かに襲われちゃうよ...)
「...??」
『他の人に先を越される前に、俺が、
“そういうコト“、教えてあげる』
「え?」