第1章 ユーリ♡俺だけのプリンセス
『ココ様、今日はかなり久しぶりの休暇なのに、本当に俺と一緒で良かったの?』
街を2人で歩いていると、
ユーリがふと、顔を覗き込んできた。
「もちろんだよ!ユーリといると楽しいもん!
付き合ってくれて本当にありがとう!」
そう言って微笑むと、ユーリは嬉しそうに
いつもの子犬のような笑顔をむける。
『ふふ、そんな風に言ってもらえるなんて嬉しいな。
今日はココ様が少しでもゆっくり羽を伸ばせるように、俺頑張るね!!』
ーーーーーー
『ところでココ様、今日は何がしたい!とかあるの?』
「あ!実はね、この間ルイに綺麗な花束をもらったの」
『......え?』
ココから急に他の男の名前が出てきて、ユーリは一瞬身体をピクリと震わせた。
だが、そんなユーリに気づく様子もなく、ココは話を続ける。
「それでね、ルイは気にしなくていいって言ってくれたんだけど、私は何かお礼したいなって思ってて、でも私1人じゃ男の人が喜ぶものとかよく分からないし...だから良かったら、ユーリに一緒に選んでもらいたくて...いい、かな?」
どうして好きな人の、他の男へのプレゼントを探さなくちゃいけないのだろう…できればそんなことは絶対にしたくはないが、でもそんなことを今ココに言えるはずもなく、ユーリは得意の笑顔を作る。
『もちろんいいよ!
でもでも!ココ様からプレゼントをもらえるなんて...ルイ様は羨ましいなぁ。』
「え...そ、そう?かな?」
『そうに決まってるよ!そんなことなら、俺もココ様に綺麗な花束、プレゼントしておくんだった』
「ふふ、そんなのなくったって今度ユーリにも何か贈るよ」
『え!ほんとに!?ありがー』
「あ!!!」
ユーリの言葉を最後まで聞く前に、ココは何か見つけたのか急に声をあげ傍にあった店に駆け寄った。
『ココ様!?どうしたの?』
「あ!ごめんねユーリ。
でも、ほら、これ見て!」
そう言って小鳥の形をしたクッキーの詰め合わせを嬉しそうにユーリに見せてくる。
『ん?これがどうかしたの??』
「ほら!これ、シャルに似てない?
ルイ喜んでくれないかな!
プレゼントは1個じゃなくてもいいよね?食べ物と残るもの2つとか!
とりあえず、これ買ってくる!」
そう言ってココはきらきらした瞳で店の中に入って行ってしまった。