第2章 STAND 2
昨日終業式があって、今日から夏休みだ。
中学に入って初めての夏休み、だというのに…。
結局、俺は雅紀の提案してきた冒険?というものに付き合わされるはめになった。
もちろん、翔くんも。
そして、さとちゃん…じゃなくて。
大野先生も参加することになった。
夏休みっていっても、先生たちはそれなりにやることがあるだろうに。
雅紀ってば…。
なんだかんだ言ったって、さとちゃんも昔から雅紀に甘かったからなあ。
あんなに頼まれたら、断れないよなあ。
雅「みんな、準備はできた?」
雅紀が腕組みをしてみんなの前に立った。
俺ら3人は雅紀と向かい合って、手を後ろで組んで横一列に並んだ。
雅「それじゃあ、番号!」
智「いち!」
翔「にぃ!」
は?は?
ちょっと、待て待て!
2人とも適応能力高すぎだろ⁉
内心焦っている俺に、3人からの視線が集中する。
雅「はい、番号!」
智「いち!」
翔「にぃ!」
再び3人がじっと俺を見てくる。
え?え?
言えばいいの?
番号を言えばいいの?
「さん…」
雅「もう!潤ちゃん、もっと大きい声で言わなきゃ!そんなんじゃ、遭難しちゃうよ?」
智「……そんなんと、そうなん…。ぷっ!くくくっ」
さとちゃんがお腹を抱えて笑いだした。
さとちゃんのツボがわかんない…。
翔くんもポカーンとしていた。