第12章 STAND 12
意外なことに俺の趣味の盆栽に対して、翔くんも二宮も引いたり、笑ったりしなかった。
これ言うとみんな大体“ジジくさい”だの“その年でマジかよ~(笑)”だの言ってくるのに…。
翔くんはともかく、二宮には絶対バカにされると思ってただけに、ちょっと拍子抜けだぜ…。
二宮母命名の椿の間に入ると、中は奥に畳の部屋があり、手前の部屋はリビングダイニングみたいになっていた。
さとちゃんはソファーで横になっていた。
「さとちゃん、大丈夫?」
近づいて声をかける。
さとちゃんは顔に乗せていたタオルを退かして、ゆっくりと目を開けた。
智「うん。みんなが来るまで横になってたからもう大丈夫だよ~」
さとちゃんが上半身を起こして、立て膝をした。
翔「大野先生、どうぞ」
翔くんが、ミニ冷蔵庫から水のペットボトルを取り出してきて、ふたを開けてからさとちゃんに手渡した。
優しい。
優しすぎるぜ、翔くん。
智「櫻井くん、ありがとう~」
雅「さとちゃん、本当に大丈夫?無理しないでよ~。おっさんなんだからさ~」
おいおい雅紀、おっさんて…。
さとちゃん、まだ25だぞ?
智「うん、そうだよね~」
ニヘラッと笑うさとちゃん。
いやいやいや!
そこ怒るとこだから!