第9章 STAND 9
雅「さてと、みんな揃ったし、そろそろ出発しようっか~?」
みんなで一斉に立ちあがり、「おー!」と拳をあげた。
ふぅ。へっへっへ。今度は俺ものり遅れなかったぜ~。
駅舎を出て、暫く歩いていたら、線路が二手に分かれていた。
雅紀がスマホを見て、「こっちかな?」と歩き出したら二宮に腕を引っ張られて制止させられた。
和「……ねえ、まさかだけど、あの古い車庫に行こうとしてない?」
雅「うん。そうだよ」
二宮の顔が恐怖に歪む。
和「止めときなって。あそこに行った人はみんな、怪我したりしてるから。危ないよ…」
ひぃー!マジですか⁉
帰りてえー!
翔「に、にの、二宮くん。そ、それ、ほんと?」
翔くんが両肘を抱えてガタガタと震え出した。
和「うん、ほんとだよ。それにさ、でるって有名なんだよぉ…」
二宮が両手を顔の前でダラリと垂らしてニヤリと笑った。
で、ででで、でるー⁉
ひぃやー!帰りてえー!!
智「行くの、やめとく?」
さとちゃんが後ろから俺の肩に顎を乗せてきた。
「ぎぃやーーーーーっっっ!!!」
さとちゃんを振りほどいて、下を向いてがむしゃらに走り出したら、ドンッと近くに立っていた翔くんにぶつかった。
雅「危ないっ!」
雅紀が手を伸ばして俺たちを助けてくれようとしたけど…、
翔「あっっ、、」
「ぅえっっ、、」
2人とも草が生い茂った線路脇に転げ落ちた。