第4章 STAND 4
「おいおいおい!」
翔「なに?なに?なに?」
そいつは、翔くんに抱きつきながら、ポロポロと泣き始めた。
〇〇「…っく、えぐっ、ぐすっ…」
なんだよ?こいつ。
急に泣いたりして…。
雅「どったの?」
智「ほらほら、泣かないで?」
雅紀がそいつの背中を擦ってあげて、さとちゃんはハンカチで涙を拭ってあげた。
そして、翔くんも屈んで、そいつの頭を撫ではじめた。
!!!
翔くんまで!
何でだよ⁉何でだよ⁉
自分のことを襲ったヤツだよ?
~と、言ってやりたいけど。
今の状況じゃ言えないよなあ。
暫くして、そいつは泣き止んだ。
だから、俺は翔くんから引き離そうとした。
だけど、俺が近づいただけでそいつは、涙ぐみながら睨んでくるもんだから、さとちゃんに制止された。
智「落ち着いた?」
〇〇「はい…」
そいつは、さとちゃんに借りたハンカチで涙を拭った。
落ち着いたんなら翔くんから離れろよ!
そいつは、泣き止んだあと、翔くんの足に絡めた腕を、今度は翔くんの腕に絡めた。
ギロリとそいつを睨んでみたが、俺をチラリと見ただけで、翔くんからは離れない。
なんだこいつ!
なんだこいつ!
なんだこいつ!
俺の苛立ちは増すばかりだ。