第3章 STAND 3
えっ⁉
さとちゃん、寝ちゃったの⁉
「雅紀。さとちゃんが寝ちゃってるよ…」
雅「はっ?」
雅紀が飛び起きて、さとちゃんの横に行った。
さとちゃんの口元に耳を寄せて、
雅「マジで寝ちゃってる。さとちゃん、保護者なのに…。もう!」
そう言って、さとちゃんの頬をペチペチと叩いた。
でも、微動だにしない、さとちゃん。
翔「大野先生、すごっ。まだ寝てる…」
さとちゃんの左隣の翔くんが、上半身を起こして雅紀たちを見てる。
なんか、エロいな。
この前雅紀と見た袋とじのおねえさんも同じポーズしてたな…。
はっ!
なに考えてんだ、俺!
雅紀が「これならどうだ?」と、さとちゃんの頬を引っ張った。
だけど、一向に起きる気配がない。
どんだけ、寝れんだよ?!
雅「ああもう仕方ない…。さとちゃん抜きで話しようか?」
翔「うん」
「うん」
雅紀と翔くんと俺は、円になって座った。
「雅紀さぁ。マジで行くのか?」
とりあえず、確認してみた。
当初の予定では、廃線になったこの線路を辿っていって、終着点にある車庫を目指すというものだった。
そこは、とある方面では有名なひんやりスポットで。
それを出発直前に知った俺と翔くんは、帰りたくてしょうがなくて。
ここまで何度も「マジで行くのか?」と確認している。
雅「行こうよ!ね?想い出になるよお、ね?」
その度に答えはこれ。
はぁ…。マジで、帰りてえ。