第3章 STAND 3
なんだかんだあって、なんとか出発して、約1時間程歩いた。
いつゴールできんだろ?
ああ、腹減ってきた…。
何気に朝早かったから…。
大体さ。
朝7時集合って早すぎじゃね?
俺は休みの日はもっとゆっくり寝たい派なんだけど。
雅「あそこで休憩する?」
雅紀が指差した先には、2人掛けのベンチが2つ並んであった。
ちょっとボロいけど、まあ背に腹は変えらんないしな…。
智「賛成~♪」
さとちゃんが小走りでベンチに向かっていった。
翔「うわっ!大野先生ってば、急に元気だ…」
翔くんが苦笑いしながら、さとちゃんのあとを着いていった。
雅「あっ、2人とも待ってよ~」
雅紀が俺の手を握ってきて、「行くよ」と言って歩き出した。
「ひとりで歩けるから」
雅紀の手を振りはなそうとしても、ギュッと握られてて、離せない。
雅紀って、時々アニキ風ふかすんだよなあ。
1つしか違わないのに。
ベンチに着くと、さとちゃんと翔くんは並んでバナナを食べていた。
智「お、来た来た。バナナ食べる?」
雅「食べるう。ちょうど、腹減ってきたとこだったの」
雅紀が俺の分も受け取ってくれて、ベンチに座ってから渡してくれた。
「雅紀、ありがとう。さとちゃんも、ありがとう。流石に歳いってるだけあって準備がいいね(笑)」
智「ん?母ちゃんが持ってけって言って、渡してきたんだ」
母ちゃんって…。
さとちゃん、あなたいくつだよ⁉
もう25歳だろう~?