第9章 日常
それから何やかんやあったが、模擬戦は明日にお預けとなり、取り敢えず2人と連絡先を交換してその日は帰った。
玉狛支部に帰ってきた僕達がリビングに行くと、栞ちゃんと修君達が団欒していた。
迅「ただいま〜」
僕「ただいま」
宇「あ、迅さんと明希ちゃんおかえり〜」
空「迅さん達、最近見なかったけどどうしてたの?」
遊真君がお菓子を食べながら聞く
迅「あっちこっちで大人気なんだよ。実力派エリートと明希は」
そう言ってマカロンを食べる。僕の分も取ってくれた。このマカロン美味しい。
僕「遊真君、ボーダーのトリガーにはもう慣れた?」
空「しおりちゃんに色々教えて貰ったからな。こなみ先輩に勝ち越す日も近い」
僕「お〜凄いね〜。桐絵に勝ち越せたら、次は悠一を目標にするといいよ。ここでのいい対戦相手になると思う」
空「おぉ、それはメイアンですな。楽しみがどんどん増える」
悠一が「鍛えろよ若者。あっという間に本番が来るからな!」とマカロンを口一杯に頬張って言った。
「行儀悪いよ」言うと一気に飲み込んで「こりゃ失敬」と頭を掻いた。
眠そうに欠伸をした悠一は「おやすみ〜」と言って僕の手を引きながら部屋を出る。何故手を引かれてるのかわからないが、「また明日」と言って悠一について行く。
悠一の部屋に着くと、悠一が僕を抱き締めてベッドに倒れ込む。
僕は「どうしたの」と優しく声をかけると悠一が「なんで...」と呟く。
迅「なんで、雷刃を渡して明希が本部に行くように仕向けたの。俺が風刃を本部に渡せばいい事なのに、なんで?」
僕「...悠一と最上さんを離したくなかったんだよ。悠一の為にしたんじゃなくて、これは僕のエゴだから。悠一が気に病むことじゃないよ」
そう言って悠一の頭を撫でる。
僕「それに、本部所属にはなったけど、ここで過ごしちゃダメとか言われてないよ。だから、周りがおかしいって言っても僕はここで生活する。ボスには本部所属になった事は皆に言わないように連絡したし、桐絵が怒ることもないよ。だから、気にしないで?」
悠一はまだ納得がいかないのか、抱きしめる力を弱めてくれない。
仕方ないかと思い悠一の頭を撫で続けた。
暫くして頭上で寝息が聞こえて来ると、今朝と同じくSEを発動して眠りに落ちた。