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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第16章 捕虜


リビングに戻らず、一旦自分の部屋に戻る。
僕がいない間に栞ちゃんや桐絵が掃除してくれていたようで、部屋は綺麗な状態のままだった。
机に伏せられた写真立てを起こして見る。それに写っているのは、旧ボーダーメンバーの集合写真と、僕の家族写真だ。右上に父さん、左上に母さん、右下に蓮流、左上に僕が写っている。これは蓮流の小学校入学時に記念に撮った写真だ。他に家族写真は無い。
改めてその写真に写る蓮流をよく見る。髪色と表情の豊かさ以外は全て同じ。写真の方が幼さがあるが、蓮流が今ここにいれば悠一と嵐山さんみたいな擬似双子になるだろう。
そう思った時、ふとある事を思い出す。

僕「そう言えば、もうすぐ蓮流の誕生日だ...」

毎年家族の誕生日に贈り物をする。昔住んでいた家が警戒区域にある為、去年まではこっそり忍び込んで家の中に置いて来たが、今年からはコソコソせずとも贈り物が出来る。(因みに、悠一は死んだと思っていた為、悠一の分は毎年慰霊碑に花束を置いていた)
今年は蓮流に何を贈ろうか?去年は寒さが異常だった為手袋を贈った。今年は犬のヌイグルミにしようかな?そうだ、悠一も連れて行こう。きっと蓮流も喜ぶ。
そっと写真立てを伏せ、言葉を紡ぐ。

僕「早く帰って来てね…」

♢♢

*迅視点

リビングのソファで考え事をしていると、部屋から戻って来た明希がこっちに来て話しかける。

藤「悠一?どうしたの?」
俺「ん、いや何でも無いよ。...それより、俺に何か用があったんだろ?」

腕を広げて明希を膝に座らせる。

藤「うん。見えてると思うけど、今度一緒に昔の家に行かない?忙しいなら無理にとは言わないけど」
俺「勿論OKだ。可愛い彼女のお願いは何でも聞くよ」
藤「...ありがとう」

首元から耳までだんだん赤く染まっていくのを見て、ムラッとしてきた。
明希の髪を左に掬い、露になった首筋にキスをする。明希が「ひゃっ」と可愛らしい声を出す。我慢出来なくなりそうだ。

俺「明希、今の声めっちゃいい。もう1回」
藤「出せるか!///」
俺「え〜、じゃあ無理矢理するよ?」
藤「やったら3日間口聞かない」
俺「すみませんでした」

ガチトーンで口聞かないって言われたら、SE無くてもヤバいのはわかる。
ふと視線を感じて入口を見ると、陽太郎の目を塞いだヒュースがゴミを見るような目を向けて立っていた。
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