第7章 君の横顔【不二周助】
正直言って僕の容姿に関しては文句のつけようがないと思う。
これは、幼い頃から周りから言われてきたことでもあるし、3年生になってからはますます告白される回数も増えたという事実から言えることだ。
そんな僕でも片思いはする。
3年間ずっと彼女を見てきた。
でも彼女は、僕のことを見ていない。
この気持ちはきっと叶うことなく思い出になるのだと思う。
「手塚」
彼に辞書を借りようと、教室に行くと、彼女が本を読んでいる横顔が目に入る。
あぁ、今日も綺麗だ。
「不二。どうした?」
「辞書、次の授業で使うんだけど、忘れちゃって。貸してくれないか?」
「あぁ、構わないが…」
「次からは気をつけるよ」
「うむ…待っていろ」
手塚が机の中を探しに行くのを目で追う。
そうすると自然に彼女を見れる。
彼女は手塚の隣の席なのだ。
机の中からなかなか出てこない辞書に戸惑っている様子の手塚に彼女が話しかける。
肩を叩き、机の上を指差して、笑う。
手塚は照れたように、頭をかき、礼を言って僕のところまでくる。
「待たせたな」
「ううん。ありがとう。次の休み時間、返しにくるよ」
「ああ。」
彼女の横顔を見るために。
あとがきーーーーーーーーーーーーー
お久しぶりです!
クリスマスチャレンジ失敗したあとなかなか書けず…
すみません。
テニラビで不二くんの曲をやってから不二くんの片思いっていいなぁ…と思いながらずっと書かずにいました。
SSになってしまいましたが、今後また何か続き的なもの書ければなーと思っております。
皆さま、本年もよろしくお願いいたします。