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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第7章 autumn wedding


『ねぇ?いくら買い出し頼まれたからって、そろそろ戻らないとコーチに怒られるよ?』

そう声をかけて、ひとつ大きく伸びをする。

それもそうだなと言う岩の言葉に、それぞれが荷物を持ち直し、じゃあ行くか!と歩きだした。

広い通りをぞろぞろとまとまって歩く。

時折、お土産屋さんの前を通っては軽く足を止め、わちゃわちゃと賑やかす。

地元の人や観光客が私達に視線を送ってくるのも、4人がそれぞれ個性的な輝きを放っているせいだと思う。

パッと見ただけで、スポーツやってるんだろうなぁと分かる身長や体格。

増してや歩くエロフェミニストを連れているのだから、なおさら女性達からの視線は強い・・・

キラキラした声をかけられる度に及川が足止めされ、それを引っ張り歩く岩。

花や松だって、それなりに声をかけられ嬉しそうに対応している。

・・・どこに行っても、見る風景は変わらず・・・か。

『4人とも~?先に歩いてるからね!ごゆっくり~!』

振り返り、女子に囲まれる4人を置いて私はまた歩きだした。

どうせ足のリーチが長いから、すぐ追いつくでしょ。

カバンを背負い直し、私は私で、宿泊施設までの道をのんびりと進む。

地元とは違う、お洒落な雰囲気満載の通りには、さすが軽井沢!と惚れ惚れするような大きなブティックや、ウェディングドレスなどが飾られているお店が数多く並んで賑やかだ。

その中で、ひときわ輝かしくドレスを飾っているお店の前で、私の足が自然と止まった。

『綺麗・・・あ、今年の新作って書いてある』

うっとりとため息が出るようなデザインのドレスが、真っ白なロングタキシードを着せられたマネキンと微笑ましく見つめ合うように展示されていた。

それはまるで、映画のワンシーンのようで・・・

私を含め、見る人の想像力を掻き立てるような、そんなポーズで並んでいる。

私もいつか、こんなドレスを着る日が来るのだろうか?

その時、隣に立っているのは・・・誰なんだろう。

あの人だったら、いいのにな・・・なぁんて!

勝手に妄想ワールドを展開し、ひとりで照れる。

私の許可なく熱くなっていく顔をパタパタと手で仰ぎ、その熱を冷ました。

想いを、伝えてしまおうか?

でも、玉砕するのが怖い。

意気地無し!といわれても構わない。

いいバランスで過ごすこの日々を、今は壊したくない。
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