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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第4章 カーテンコールのその先は




俺はきっとあの子のことが好きなんだと思う。
ずっと一緒にいた、小さい頃から。
所謂、幼馴染。

いつからか、好きになっていた。
もうずっと前から抱いていた、この気持ち。

だけど告白する勇気なんてなくて、
それ以上の関係なんて望んでなくて、
ただ、そばに居られればそれでよくて、
そう思っていたのに。

「いらっしゃいませー」

休日のある日。
久しぶりになにもない日曜日。

俺は、出かけていた。
真っ赤な音駒ジャージを着て、オシャレのオの字もない格好で。

そこは女の子の集まる雑貨屋。
周りは中学生や高校生がいっぱいいて8割が女性で2割がカップル。
そんな中に男一人でいるこの状態。
正直耐えられないし、1分ももたない。
逃げたい。

冷や汗が垂れる中、今以上に逃げたい状況がやってきた。

「何かお困りですかぁ?」

必要以上に高い声。
体が強張る。
話しかけないでほしいオーラを出していたというのに、話しかけてくるなんて……。

「彼女さんへのプレゼントとかですかぁ?」
「ま、まぁ……」
「わぁ!素敵ですね!どういったものをお探しですか?」
「えっと……」

しどろもどろになりながら、俺は必死に店内を見渡す。
もうなんでもいい。
なんでもいいから早くこの場を立ち去りたい。

「これで……」

指差したのはオルゴール。
どんな音色を奏でるのか、知らない。
ただ、真っ白な箱に小さなガラス玉が埋め込まれたそれに惹かれた。

赤いガラス玉は、あの子の唇の色。
真っ赤なグロスを付けているあの子のカラー。
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