第3章 流麗な夢をキミと
「大地・・・さっきの話だけど、あれマジ?」
練習前に文化祭の部活部門の出し物について話し合って。
田中が・・・
田「どうせなら度肝を抜くように派手にやりましょう!!我らバレー部ココにあり!!みたいな!」
なんて言ったもんだから・・・ちゃんが・・・
『度肝を抜くような・・・って言うのであれば、いま流行りの執事カフェとかどうですか?』
なんて、とんでもない案を出し・・・
ちゃんの提案に部員全員は顔がひきつった。
澤「決めたんだから・・・やるしか、ないだろ。清水があれだけ楽しそうにしてんだからさ?」
「そうだけど・・・」
澤「今まで清水に忙しい思いとか、勝てない試合の記録ばかりつけさせて来たし、女子マネがふたりして楽しそうなら俺達は腹を括るまでだよ」
執事カフェ・・・バレー部でやるとか、上手く行くんだろうか?
練習着から顔を出しながら、みんなの顔を覗き見る。
・・・明らかに、向いてないやつの方が多くね?
月島や影山なんて、穏やかな微笑み・・・なんて、何ソレ?美味しいの?くらいの世界だよ。
もちろん、他にも・・・だけど。
「旭、ちょっとアレ言ってみてよ?お帰りなさいませ、お嬢様・・・ってヤツ」
旭「な、何でいまっ?!」
「いいから!早く言ってみてよ」
渋る旭の背中を小突き、催促をする。
旭「お、おか、お帰りなさいませ・・・お嬢・・・様」
「顔が怖い!!」
頬からピキピキと音が聞こえそうな引き攣り笑顔で言われたら、接客どころじゃないよ。
怖がられるって!
旭「じゃあスガはどうなんだ?オレもやったんだから、スガもやってみてよ」
「オレも?・・・別にイイけど」
旭の言葉に、周りのヤツらが着替えの手を止め一斉にオレを見た。
「コホン・・・お帰りなさいませ、お嬢様・・・こんなんでどう?」
澤「・・・さすがスガだな」
どういう意味だよ。
月「天然人タラシ・・・」
「月島?!それどういうこと?!」
月「別に。そのまんまの意味デショ」
山「菅原さん・・・それは男女兼用の微笑みですか?」
・・・なぜ、山口は赤くなってる?
澤「ま、アレだ。何か粗相があった時の対応はスガに任せるよ」
「はぃ?!」
澤「・・・頑張れ」
いや、頑張れって・・・みんなも頑張ってくれよ。
先行き不安だ・・・