第6章 # FFC0CB
「ふふっ。カズくんももう寝ちゃいそうだ」
二人でリビングに戻った時には、カズはビールの缶を両手で握りしめたまま大きく舟を漕いでいて
「カズくん、ほら。ビールはもう終わりね?」
相葉くんの声にハッとしてコクコク頷いてる
「もう寝るか? 向かいの部屋がツインだから、」
「や。」
「ふふっ。嫌ですって。」
仕方ないなぁ、なんて言いながらも太腿をポンポンと叩く相葉くんと
ニヘラと笑ったと思ったら当たり前のようにそこにコテンと横になる、カズ
おうふ…
実兄の前で弟を膝枕するとか…
「寝ちゃってもいいよ。ベッドに運んだげるから」
髪を撫でながら、優しい口調でそう言うと
「ん……。」
カズも安心した様に目を閉じた
「寝ちゃいましたね」
「寝たな」
「智さん、」
「…うん?」
「あの星座のサーフボードをネットで見付けた時、カズくん “兄さんの色だ” って言ったんです
実物を自分の目で見てみたい、って」
「…そっか。」
覚えててくれたんだ、あの青の事。
「来て良かったです
智さんに… お兄さんに、会えて良かった
カズくん、ホントはずっと会いたかったんだと思うから」
「……」
「また、来てもいいですか?」
「…ああ」
「ありがとうございます。」
…礼を言うのはこっちの方だ
ありがとう
僕を見付けてくれて
ありがとう。