第5章 # 000000
「そう言えばさ、相葉くんが桜のボードをプレゼントする相手って? 和也くんじゃないんでしょ?」
慎吾がグイッと身を乗り出して聞くから
相葉くん、驚いてるし
「あぁ、えっと、ソイツは元同僚なんですけど、最近開業して。そのお祝いと、今月末の誕生日のお祝いを兼ねて」
「あー、なるほどね」
友達へのプレゼントにサーフボードを選ぶなんて随分羽振りがいいんだなと思ったけど
開業祝い。それも兼ねてるなら納得だ
「しょうちゃんって奥さん? それとも彼女?」
「えっ!?」
「ほら、花びらがSの字になってるから喜ぶとかなんとか…しょうちゃんのSなんでしょ?」
「あー、そうなんですけど、奥さんでも彼女でもなくて…
なんて言うか…そう! ソイツの大切な人で僕の親友でもあるんです」
女の子の親友、か。
異性の友情は成り立たないなんて言うけどそんな事もないんだな
「それとさ、」
「お前、まだあるの?」
なんだか色々聞きたそうにしてる慎吾に、初対面で色々失礼だろ。って思ったのに、
「うちの工房のサイト見てくれてたんでしょ?」
「はい、」
「相葉くんの彼女がConstellationシリーズを気に入って実物見てみたいから、郵送じゃなくてわざわざ店に取りに来るって聞いてたんだけど…来れなかったの?」
「あー、その、えっと…」
「それ、俺の事です」
「「えっ!?」」
カズが目玉が飛び出そうな事をサラッと言うから
二人して素っ頓狂な声をあげてしまった