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# 3104【気象系】

第4章 # 4n5


「着いたよ」

「此処が…」

「そう。男の二人暮らしだから片付いてないけど、どうぞ」



外観はペンション。
ウッドデッキもあって、とても工房には見えない
一歩中に入ればそこはもう作業場という言葉がピッタリな場所で
一応奥に事務所的な空間はあるけど、木のテーブルと椅子、簡易キッチンがあるだけ


「靴、ここで脱いでね」


階段脇に下駄箱はあるけど、いつも履く靴やサンダルは出しっぱなし。
中が収納になっているスツールからスリッパを2つ取り出し、自分たちはいつものクロックスに履き替えた


「クロックスからクロックスに履き替えるんですね」


発想が新しい。なんて相葉くんが感心してる
もう何年もずっとこうだけど…

階段を登るカズの背中を不思議な気持ちで見つめていた


うちに、
うちの工房に、カズが居る。


こんな日が来るなんて思ってもみなかったよ









「はい、どーぞ」

「ありがとうございます」

「っ、すみません」


銅製のマグカップに淹れられたアイス珈琲を
いや、
それを口にする俺をカズが不思議そうに眺めてる


「珈琲、飲めるんだ…」

「…あの頃と一緒にするなよ」





そう、あの頃と。

カズの記憶の中の僕は、14歳と半年で止まったままなんだ
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