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# 3104【気象系】

第3章 # 800080


制作の経過は順調だった
ストックしてあるボードはシェイパーの城島さんがハンドシェイプしたもので、初心者でも扱いやすいと評判だ
だけどペイント剤の調合には時間を要した
思うような紫色にならなくて気ばかりが焦っていたんだ


「一息入れたら?」

「あぁ…ありがと。
なんかさ、納得が行かないんだ」


アイス珈琲のグラスを受け取ると、それを一口口に含んだ


「珍しいね? ちょっと見せて」


慎吾がブリキ缶の中を覗き込む


「キレイな色だし、デザイン画のカラーを忠実に再現してるとは思うけど…何か物足りない、って感じ?」

「そんなとこ」


桜の花びらとマッチさせるには、ベースは赤味の強い紫の方がいいのは分かってる


「青が足りないんじゃねぇ? 足してみりゃいいじゃん」

「でもさ、」


ここに青を足したら紫が深くなり過ぎてしまう


「大丈夫だよ。サトシブルー、入れてみなよ」


# 3104を?
# 0000FFじゃなくて?


「絶対良くなるから」


慎吾がそう言うとそんな気がしてくるから不思議だ


「…やってみるよ」


慎重に、少量ずつ#3104を足して行く





「…あ。」






この色、イイ。


「うん、イイね!」


想いを汲み取るように
慎吾が僕にOKのサインを出した
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