第3章 光秀編(媚薬入金平糖)
光秀編
政宗が秋花の元へと何度か通っていた頃。
「んっ?政宗はまたこの時間からどこへ行くんだ?」
この所夕餉を食べた後に政宗がちょこちょこ出掛けるのを見かけていた光秀。
後を付けて行こうと思ったが、明日の朝早くに結人と秀吉の息子と出掛ける約束をしていたため、次の機会を狙って行こうとした。
結人達と出かけた日の次の日の夜、政宗が光秀の部屋へとやって来た。
政宗「光秀いるか?」
光秀「あぁ。勝手に入ってこい。」
政宗が光秀の言葉を聞いて入ってきた。
光秀「どうした。こんな夜更けに。」
政宗「夜更けでもないだろう。いいもん見せてやるよ」
そういうと政宗は懐から巾着を取り出した。
光秀「これは何だ?」
政宗「やっぱりお前も見たことないか・・・。」
政宗が取り出した巾着のなかからしっかりと蓋をされた容器が出てきた。そのなかにはこの時代には珍しい桃色の粉が入っていて、ほのかに花のような香りがした。
政宗「いわゆる頬紅の一種らしいが、この色は見たことがない。そしてこの透明な容器は“ガラス”でできているらしい。」
政宗は少し興奮気味に話を続けた。
「しかもこれは、媚薬の効果があるんだ。」
光秀は政宗の話を興味深げに聞いていた。
「その店には見たことのないものが並んでいるから一度見に行った方がいいぜ」
「南蛮由来の物じゃないのか?」
政宗「いや、あれは南蛮由来のものよりも変わってるぞ、しかも効果は相当だ。」
光秀「お前は試したのか。」
政宗「あぁ、まだこの粉のやつしか試してないがお墨付きだ。」
光秀と政宗は次の日の夜に一緒に行くことにした。