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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第11章 海誓山盟


翔side


「必ず‥必ず迎えにいくから‥。だからあと少しだけ待っていてね‥」


想い人を囚われの部屋まで連れてゆき、絶対にここから連れ出すからと抱擁を交わす。

抱きしめるその向こうの窓には、白々と夜が明けていく空が見える。


頬に涙を伝せながらも微笑もうとする唇に誓いの口づけを落とすと、その日までは開けることのできない木扉を閉め‥‥

静かに鍵を掛けた。



智と二人で過ごした濃密な時間は、きっとその日までおれたちを支えてくれる‥

そう自分に言い聞かせると、後ろの方で待ってくれていた和也にその鍵を託した。




あと少し‥‥

数日の時間(とき)を乗り越えさえすれば、智をあの部屋から連れ出すことができる。




部屋に戻ると、薄氷のように冷たい窓硝子越しに、ゆっくりと明けていく冬の空を見上げて‥


想い人との誓いを‥


手にすることのできた愛を‥




しっかりと胸に刻み込んだ。
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