愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第9章 愛及屋烏
初めて知る快感に翻弄されていく愛おしい人。
「ああっ‥だめっ‥もぅ、あっ‥っ」
ひと際甘い声で啼いた和也は、きゅっと目を閉じて‥張りつめていたものから、白い熱をとろとろと溢れさせた。
「ああ‥止まらないとは‥和也の身体はこの先どうなっていくのだろうね。」
「まさきさんっ‥っ、ああっ、また‥っ、」
長く達してるような中にいる恋人は、指が増やされていることにも気付かずに熱い息を‥白い熱を散らしていた。
初めてだというのに、これだけの歓びを得られるとは‥
私は指先で感じる和也のなかを、己の欲望で埋め尽くしたい衝動に駆られてしまい、激しく息を乱している身体から指を抜くと、とろとろと溢れ出た熱を纏わせた猛りをそこに当てがう。
「愛している‥和也、私は君だけのものだ‥」
「おれもっ‥貴方だけをっ‥」
涙声で懸命に答えようとする和也の細い腰を抱えると、堅く張りつめたものを柔らかな中に、ゆっくりと埋めていく。
「いゃあぁっ‥っ‥、」
いくら解れていたといっても、愛しい人は初めて受け入れる痛みに身体を仰け反らせ、珠のような汗を散らしながら首を振る。
「許せ‥和也‥っ‥」
私は本能的に逃れようとする身体を抱きしめ、猛るもので熱く締めつけるなかを押し広げていく。
「やぁっっ‥はぁっ、あぁぁっ‥」
和也はその身に受ける全てを発散させるかのように啼き、涙を流した。
愛しい‥なんと愛しいんだ‥
自分の腕を強く掴む小さな手‥
仰け反る胸元‥そこに咲いた赤い花弁のような痕
吹き出した汗が、涙と共に流れ落ち‥
「‥もう‥これ以上辛くはなるまい‥。和也、私を見ておくれ‥」
全てを収めた私は、濡れた頬を拭いながら、喘ぐ唇の端にそっと口づける。
「はぁっ‥はっ、まさ‥き、さん‥おれっ‥」
ようやく私を捉えた瞳には、瞬く間に涙が溢れ出してきて‥
「ああ‥私たちはひとつになったのだ‥」
ゆらゆらと揺れる瞳が嬉しそうに細くなり、腕を掴んでいた小さな手が首に回されて引き寄せられた。