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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第6章 籠鳥恋雲


一瞬、月明かりの下で潤と視線が絡む。

その目は、それまで目にしたこともない程に虚ろで‥

僕を穿つ男に余裕が無くなっているのがすぐに分かった。


あと少しだ‥
あと少しでこの男を‥


「後生でご‥ざいま‥す‥。どうか‥じゅ‥様のお顔を‥」


お前が僕に堕ちる瞬間を、この目に焼き付けておきたい。


僕は腰を少しだけ浮かせて潤の茎を出し、身体の向きを変えると、再び身体の奥深くへと潤の茎を埋めた。


「あぁっ‥じゅ‥さまぁ‥っ‥」


石膏像のような肩に腕を絡め、引き締まった腹に濡れた茎を擦り付けるように腰を上下させると、奥深くに埋めた潤の茎が僕を淫楽へと導き始める。


「突いて‥そこ‥もっと‥突いて‥ぇ‥っ‥」


せり上がって来る吐精感を逸らすことなく、僕は腰を擦り続け、僕の吐き出した密で濡れた腹に強く茎を擦り付けた。


「くっ‥、よせ‥‥」


潤がきつく唇を食い縛り、小さく呻く。


それは初めて耳にする、潤の敗北を予感させる言葉だった。


堕ちた‥
僕はとうとうこの男を‥‥


僕の顔に自然に微笑み(えみ)が浮かぶ。


そうだ‥
このまま真っ逆さまに堕ちて行け。

僕に溺れるがいい‥


僕は一層激しく腰を打ち付けると、結合部をにほんの少しだけ力を加えた。


「よせと言うのに‥、お前は‥‥」


額から流れた汗がぽつりと僕の膝に落ちる。

するとすっかり余裕を失くした男は僕の腰を両手で掴み、乱暴なまでに揺さぶり、何度も何度も強く下から突き上げた。


「あっ‥、あん‥あぁぁぁっ‥‥」


先に音を上げたのは僕の方だった。

潤の腹に先端が強く擦れた瞬間、僕は潤の腹を汚し、そして潤もまた僕の中で茎をぶるると震わすと、熱い飛沫で僕の中を満たした。


僕は今にも手放しそうになる意識を必死で繋ぎ止め、激しく上下する潤の肩口に顔を埋めた。


「嬉し‥ぃ‥。やっと貴方が僕の中に‥‥」


この瞬間をどれたけ待ち侘びたことか‥


「くくく‥、まさかこの俺がお前のような奴に、これ程翻弄されるとはな‥」


僕の中からずるりと茎を引き抜き、乱れた髪を手で撫で付けると、僕の吐き出した物で汚れた肌もそのままに、素肌に上衣を羽織った。
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