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ハリー・ポッターと純血の守護者

第8章 【嵐を呼ぶオトコ】


 ピクシーに引っかかれた傷を摩りながらロンが言うと、ハーマイオニーがピシャリと止めた。ロンは「おー、怖」と言ってチキンにむさぼり付くと、今度はハリーが助け舟を出してきてくれた。

「まあ、あんな問題だれも本気でなんて解いてなかったし」
「私は本気だったわ!」
「そうですね……」

 ハーマイオニーの勢いに小さくなるばかりのハリーだった。クリスは態度を改めず、ハリーとロンはクリスの肩を持つ言い方をしたので、ハーマイオニーは一度大きく口を開けると、言葉の代わりにかぼちゃジュースを一気飲みしてゴブレットを勢い良く机にたたきつけた。

「良いわ、あなた達がロックハート先生の聡明さを理解しないのなら、学期末で痛い目を見ることね!」

 フンと大きく鼻を鳴らすと、そのままハーマイオニーは一人先に寮に戻ってしまった。彼女が大広間を出て行ったのを確認すると、3人は今朝と同様頭をつき合わせた。

「で、結局あれどう思う?」
「馬鹿につける薬は無し。恋に恋する乙女も以下同文」
「恋に恋する乙女ね」

 そんな可愛いもんかねと、ロンが一言もらすと3人は同様のため息を尽きざるを得なかった。
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