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ハリー・ポッターと純血の守護者

第5章 【青空の旅】


「何やってるんだか、あの2人は」
「まったくよ!あんな事して……マグルに見つかったらどう責任を取るつもりなのかしら」
「ねえ、もしそうなったら2人はどうなっちゃうの?まさか、退学になるなんて書いてないわよね?」
「多分それは――ないと思うけど」

 ジニーの疑問は、クリスとハーマイオニーの疑問でもあった。こんな事はホグワーツでも前代未聞の出来事だろう。はしゃいで彼らを応援する他の生徒と違い、3人の心はどんより曇っていた。
 丁度そこに、予定よりかなり早い帰還をとげたネサラが舞い降りた。足に結び付けられたクリスの手紙には、一旦解かれた後また結びなおした痕跡がある。

「返事は無いの?それとも、まさか途中で引き返して来ちゃったとか」
「ネサラに限ってそれは無い。待てよ、裏に何か書いてある」

 手紙を裏返して、クリスは固まった。透き通るような青空、白い雲、暖かな太陽と優しく髪をなでる風はこんなにも心地良いのに、一筋の冷や汗が頬を流れ落ちた。
 何も知らない彼らは、今どんな気分で空の旅を楽しんでいる事だろうか。願わくは、それが最期の行楽にならない事を望む。

「なんて書いてあったの?」

 クリスは答えず、無言で手紙を差し出した。手紙にはそっけなく一文でこう綴られていた。
 ――了解。Prof.Snape――と。
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