第24章 【ハーマイオニーの危機】
「然しこれだけは言っておこう。わしが本当にこの学校を離れるときわしに忠実なものが一切いなくなった時じゃ。ホグワーツでは救いを求めるものには、必ずそれが与えられる」
そう言い残し、ダンブルドアは自分からハグリッドの小屋を出て行ってしまった。そのあとに満足げなルシウスと、パニックでどうにかなってしまいそうなファッジが続く。ハグリッドは覚悟を決めた様に大きなため息を吐いた後、いつものモールスキンのオーバーを着ながらはっきりした声でこう言った。
「誰かが何かを求めたかったら、クモの後を追いかければええ。そうすりゃちゃんと糸口が分かる。俺が言いたいのはそれだけだ。――それと、だれか俺の居ない間にファングに餌をやっておいてくれ」
そう言って、ハグリッドはバタンと扉を閉めた。それからだれも帰って来ないことを確認してから、3人は透明マントを脱いだ。
「やばいよ」
ロンの第一声だ。いつもより低い上に震えている。
「ダンブルドアがいなくなるんじゃ、1日に1人は襲われるぜ」
「ああ、それも――今度は殺しだ」
その言葉に3人の間に沈黙が走る。
クリスの脳裏に、未だ医務室のベッドで固まったままのハーマイオニーの姿が蘇ってきた。