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ハリー・ポッターと純血の守護者

第23章 【最悪のバレンタイン】


 珍しく吹雪がやんだ日、ハーマイオニーはヒゲなし、ネコ耳なし、顔の毛なしの、いつものハーマイオニーに戻って退院してきた。クリスはネコになったハーマイオニーがお気に入りだったので、少し残念だが、これで少しは秘密の部屋の謎が解ける。いつもの様に談話室の隅っこに固まると、クリスは実家で手に入れた情報を全て話した。しかし、腕の痣の事だけは隠して。

「トム・リドルが秘密の部屋の鍵、ねぇ……」
「もしかしたら、隠された呪文か何かあるのかもよ。パパが言ってた、中には呪文を言わないと正体を現さない本があるって」
「呪文、か……『赤き太陽が闇に覆われし時、純潔なる双子の乙女、聖なる名において我らを守りたまえ』」

 クリスは試しに、杖を振りながら教えてもらった詩を言ったが、本はなにも示さなかった。

「やっぱりあのジジイ、呆けてたのかな?」
「ハリー、そんな本いつまで持っているつもりさ」
「気になるんだよ、どうして誰かがこれを捨てようとしたのか。それが分かれば良いんだけど……リドルがどうして『ホグワーツ特別功労賞』を貰ったのかも知りたいし」
「ハリー、特別功労賞だけじゃないぞ、、ホグワーツ主席合格生、ホグワーツ監督生、魔術優等賞。パーシーにも負けない生徒の鏡だったんだ」
「パースが生徒の鏡かはおいといて、O・W・Lの試験で30科目受かったとか、大イカに捕まった生徒を助けたとか、一気に100点寮点を稼いだとか、方法は沢山あるよ」

 しかしロンとクリスの話は耳に入らず、ハリーとハーマイオニーは真剣に黒い本を見つめていた。その表情は、2人とも同じことを考えている証拠だった。

「何か分かったのか?」
「これは推測だけど……この本は50年前の物なのよね。そしてマルフォイは50年前に秘密の部屋が開かれたと言っていた」
「なるほど」
「それで?」
「ロン、ちょっとは頭を動かして!」

 ハーマイオニーが察しの悪いロンに対して、興奮気味に言った。

「『秘密の部屋』を開けた人が50年前に追放されたことは知っているでしょう?T・M・リドルが『特別功労賞』をもらったのも50年前!もしリドルがスリザリンの継承者を摑まえたことで『特別功労賞』を貰ったのだとしたら、全ての筋が通るわ!」
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